(※ ソマリのルーツについては、少しずつニュアンスの異なるいくつかの説がありますが、ここでは一番王道と思われる説を採用しています)

ソマリは、よく“アビシニアンの長毛種”などと言われます。アビシニアンが血統管理される以前の時代、「アビシニアンに紛れ込んだ長毛遺伝子が、表面化しないまま受け継がれて、たまたま産まれた長毛猫がその始まり」とされているからです。

当初は、長毛のアビシニアンを快く思わない人たちも多かったようですが、一方で、彼らに大いなる魅力を感じ、長毛遺伝子が固定されるようにブリードを試みる人も出てきました。

それは1960年代後半の北米でのことであり、「LYNN-LEE cattey」のEvelynさんもその一人でした。そして彼女が長毛のアビシニアンに「ソマリ」という名前をつけたのです。

ちなみに、名前の由来は、「アビシニア」(現在のエチオピアのことで、猫のアビシニアンの由来となった)の隣国が「ソマリア」だったからだそうで...。このウイットに富んだネーミングには、思わず「座布団十枚!」と言ってしまいたくなります(笑)。

その後、困難な道を経て、ようやく1979年にルディとレッドがCFA(※1)に公認されることとなりました。ブルーは1986年、フォーンは1990年に認められています。そういう意味では、比較的“歴史の浅い猫”といえるかもしれません。

ルディとレッドがCFAに公認された年、 FOXTAIL'S RIO GRANDE of Silamos くんが最初のグランドチャンピオンとなり、それを皮切りにソマリはショーでの活躍を続け、徐々に世界的な認知度を得ていく事となります。

以上がソマリの起源の概要ですが、CFAのAbout This Breedというページでは、こんな表現もされています。『長毛遺伝子がどのようにアビシニアンの遺伝子プールにもちこまれたのかは、多大な推測や論争を生みました。しかし、事実そのことが我々の愛する美しいソマリという猫を生み出したのだから、限りない感謝の思いしかありません』(管理人拙訳)

ソマリを愛する者として、思わず感動せずにはいられない、大好きなフレーズです。

※1 CFA 正式名称「THE CAT FANCIERS' ASSOCIATION, INC.」1906年創立。猫の品種改良により遺伝的な欠陥を排除した各種血統猫の健康促進を最大の目的とし、アメリカ全土、カナダ、南米、ヨーロッパ、アジア、ロシア、および日本に、その所属クラブ600以上を数える、世界最大の愛猫協会として活動する非営利団体。

日本では、CFAで公認される前から日本独自の繁殖がはじめられていたそうです(すごい)。

日本で初めてグランドチャンピオンになったソマリは、FOXTAIL'S GOLDEN WEST (通称コール)くんで、1980-1981シーズンのことでした。(コールくんの父方祖父は、前出のLYNN-LEEキャッテリー出身です)

コールくんの居たキャッテリー「SILKROAD」を出発点として、日本にソマリが広がりはじめることになります。この頃立ち上げられた「PIAISLAND」「CHIRONNUP(後のMORETHANPA)」さん「LIBEMIAUEN」さんなどが、ルディ・レッドに関しては日本で一番古いキャッテリーにあたるのだと、以前お友達ブリーダーさんに教えていただきました。その中には今でも続いているキャッテリーもあり、とても感銘を覚えます。(※ダイリュートと呼ばれるブルー・フォーンが日本でポピュラーとなるにはまた別の流れがあります)

管理人たちがソマリを好きになるきっかけとなったのは、ネットを通して見たRAINKEY'S WINDSINGER of Chironnupくん(日本の初期ソマリのスーパースター的な存在)でしたが、彼にもLYNN-LEEの血筋が流れていました。

我が家の長男猫が、後になって、偶然にもこのウインドシンガーくんの血筋と分かった時は、もうビックリするやら感激するやら。でも、考えてみたら、それくらい日本のソマリの歴史は浅く、狭いものなのかもしれません。

長男以降迎えたレッド・ルディの子達も、血統書を一代ないし二代さかのぼれば、先に挙げた日本の初期キャッテリーに繋がります。

そんなことを考えていると、一番最初のソマリから脈々と受け継がれた「命の鎖」を感じずにはいられません。彼らに情熱を傾けてきた多くのブリーダーさんと、多くの猫たちのお陰で、今、うちの子達がここにいます...。

その歴史に、改めて感謝の気持ちをこめて、このページを締めくくりたいと思います。

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