ソマリ レッドの子猫たち(Lucia)

ソマリに限らずですが、純血種の子猫を迎えるとしたら、キャッテリーを構えるブリーダーさんから迎える。もしくはペットショップから迎える。この二つが主流だと思います。

猫をブリーダーさんから迎えるという習慣は、数年前まではあまり浸透していませんでした。現に、11年前初めて我が家に迎えたソマリも、出逢いはペットショップでした。

その後、インターネットの普及で、子猫を求める人がブリーダーさんのHPやブログを通じてコンタクトをとることが容易になり、最近はブリーダーさんから迎えるお家がどんどん増えて来ていますよね。(余談になりますが、ペットショップに生体を置くことについては管理人は否定的な立場です。ペット先進国のように、純血種を迎えるのであればその猫種の交配に知識のあるブリーダーさんから直接迎え、また、純血種に特にこだわりがなければ、保護団体のしっかりした里親審査を経て動物を譲っていただく。そのような形が日本でも当たり前になることを願っています)

話を戻して、ソマリの子猫をブリーダーさんから迎えることと、ペットショップから迎えることの違いについて要点をまとめてみました(全てのペットショップやブリーダー事情を知っているわけではないので、あくまでも管理人の主観です。ご了承くださいm(_ _)m)

※ ペットショップ等からソマリの子猫を迎える際に、時として問題になる「ショートヘアソマリ」については、別のページで詳しく記しています。これからソマリを迎えようとなさっている方は、是非、ご一読ください。「 ショートヘアソマリはアビシニアンじゃないんですか

ソマリの価格について

・ブリーダーから:11万〜18万くらい(あくまでも目安です)
・ペットショップから:13万〜30万くらい(あくまでも目安です)

※ 命あるものに「価格」という言葉を使うのは抵抗があり、本来「譲渡代(譲渡額)」などと記したいところですが、譲渡=無償とイメージされる方も多いため、誤解を招かないよう、あえて「価格」と一般的な言葉を使っています。

※ 同じ理由で「販売」という言葉を嫌い「譲渡」と表現されるブリーダーさんも多いのですが、やはり無償と誤解されるトラブルも発生しているようです。ブリードを引退した成猫を譲るような特別なケース以外、キャッテリーからの子猫の「譲渡」は有償となります。

※ 基本的に、同等タイプのソマリならペットショップの方が価格は高くなります(セール時などではない平常価格の場合)。ペットショップは子猫の仕入れ、人件費、土地代など諸経費がかかるので、その分金額が上乗せされます。

※ カラーに関しては、通常ダイリュート(ブルーとフォーン)の方がルディとレッドよりも高い値段に設定されます。なので、ペットショップのルディ・レッドよりもブリーダーさんのブルー・フォーンの子猫の方が高価になることはありえます。

お迎え時期について

・ブリーダーから:一般的に生後3ヶ月前後からの引き渡し
・ペットショップから:早い子は生後1ヶ月過ぎくらいで店頭に並ぶ

※ この点については2012年に動物愛護法が改正されました>>「環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室【動物の愛護と適切な管理 平成24年に行われた法改正の内容】」

子猫にとって生後3ヶ月くらいまでは、ママのお乳をたくさんもらい、十分なスキンシップを受け、兄弟達と遊びながら社会性を身につけていく大切な時期です。早いうちにママや兄弟から離され、狭いケージで人目にさらされるというストレスの多い環境に身を置くことは、社会性の欠如や、抵抗力・免疫力の低下を招きやすいといえます。我が家もショップから迎えた長男だけに噛み癖がありました(かなり苦労しましたが、なんとか治りました)。

性格について

・ブリーダーから:人慣れしていて、人間を威嚇したり噛んだりということは滅多にない
・ペットショップから:警戒心が強かったり、噛み癖があったり、人間に威嚇する子も中にはいる

* ここは個体差が激しい部分なので、あくまでも“傾向”としてとらえてください。ちなみに一般的なソマリ特有の性格については「ソマリの性格」をご覧ください。

上記「お迎え時期」とも多いに関わることですが、ブリーダーさん宅で生後3ヶ月近くまで育った子は、人に慣れていて、人間に対して吹いたり噛んだりということが滅多にありません(きちんとしたブリーダーさんなら、仮に噛み癖があっても矯正してから送り出すので)。警戒心もあまり強くなく、素直な甘えん坊が多いです。

血統について

・ブリーダーから:子猫の親がCFAもしくはTICAのCH、GCタイトルを持っていることが多い
・ペットショップから:子猫の親のタイトルは様々でACCやICC(日本国内だけの団体)のCHなども多い

※ 血統書として「正式」に認知されるのはCFAもしくはTICAが発行するもののみです

出逢いは運命なので、どちらがいいとは一概には言えません。が、もし、ソマリという品種に惚れ込んで子猫を迎えるのであれば、CFAもしくはTICAに属しているキャッテリー(ブリーダーさん)にこだわってみるというのも一つの選択肢かもしれません。それは飼い主の見栄を満足させるためではなく、ソマリという純血種の個性を色濃く備えた、健康で性格のよい子に出逢える“可能性が高い”と管理人は考えるからです。詳しくは「キャットショー」のページのコラムをご覧ください。
※ペットショップでは、他の猫種の血筋が混ざっていても「ソマリ」として販売されるケースもあります。もちろん惚れ込んでしまえばmixか否かなど関係ないことですが。

※ 参考「血統書とCFAナンバー

健康状態について

・ブリーダーから:遺伝性の疾患などのない掛け合わせを研究され、子猫の健康管理もしっかりとされているブリーダーさんが多い。ただ、ブリーダーさんの個人差、子猫の個体差があるため「絶対」とはいえない
・ペットショップから:早いうちに親猫から離され、狭いケージで人目にさらされるというショップの環境上、子猫の抵抗力や免疫力が落ちやすい。が、これも個体差があるため、それでも健康上なんら問題のない子もいる

子猫の体はデリケートで、命に絶対はありません。ブリーダーさん、ペットショップ、どちらからお迎えする場合も、引き渡し直後の病気の発症や、万が一亡くなってしまった時の補償などを、前もって「書面」で確認しておきましょう。(口頭だけの説明は後でトラブルのもとになります)

※ 参考「インブリード、ラインブリードについて

その他の特筆事項

◎ブリーダーさんから迎える場合の特筆事項を補足します

・契約を決める前に、可能な限りキャッテリーの見学に行かせてもらいましょう。親猫たちとその飼育環境を見せていただくことで、きちんとしたブリーダーさんかどうか自分の目で確かめることができます。

・ブリーダーさんから迎えるメリットとして、その子の赤ちゃん時代の写真をいただけたり(ブリーダーさんにもよりますが)、その後もなにかと育児相談にのっていただける点があります。良心的で誠実なブリーダーさんに巡り会えた場合、オーナーにとって素晴らしいご縁になります。

・ブリーダーさんとのご縁は問い合わせの時点からスタートします。最低でも、こちらの氏名と住所は明記しましょう。ペット飼育可の家に住んでいること、家族構成、先住動物の有無、猫飼育経験の有無なども書き添えれば、お迎え話もよりスムースに進むと思います。

・ブリーダーさんとの譲渡契約には、たいてい「完全室内飼い」や「繁殖不可」などいくつかの約束を取り交わします。条件が満たせない場合には、契約を断られる場合もあります。お金さえ払えば誰でも子猫を連れ帰ることのできるペットショップと違い、それだけ「命」を大切に考えているのだと管理人は思います。
※「繁殖不可」の一番の理由は、純血種の交配には遺伝性疾患などの難しい面があり、知識も持たずにただ可愛いからで子猫を産ませるにはリスクが伴うからです。(そのためブリーダーさんの指導のもとでの繁殖であれば許可されるケースもあり) 詳しくは「交配・繁殖について」をご覧ください。

ソマリの子猫(Lino)

以上、これからソマリの子猫を迎えようと考えている方に、この比較が少しでも参考になれば幸いです。ただ、誤解していただきたくないのですが、管理人はペットショップからのお迎えを全否定しているわけではありません(我が家の長男との出逢いもペットショップでした)。

人工種ゆえのデリケートさ」でも書いたように、とりわけソマリのように遺伝子プールが狭い(俗に“血が濃い”などといわれる)品種は、親となるペアを決定する際に、血統をさかのぼって遺伝病の有無などを調べることが必須だと思います。もし、そういった労を排除することで猫を安価に、そして安易に売ろうというのなら、その行為はペットショップであっても、肩書きがブリーダーであっても、乱繁殖に他ならないと考えます。

迎える側にとってみれば、その子が健康で長生きしてくれることが何よりの願い。そのためには、子猫探しを始める前に、なるべく多くの情報に触れておく事が、いろいろな意味で「安心で幸せなお迎え」につながるのかもしれません。

今は、多くのソマリママさんパパさんがブログやHPを公開しているので、好きなタイプの子がいたら、メールなどでその子の出身キャッテリー(もしくは出身ショップ)を直接聞いてみるという手段もありますよね。ただし、くれぐれもネチケットは守って、お問い合わせしてくださいね。

多くの皆さんに、ステキなソマリっ子とのご縁がありますように...。

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