ソマリに限らず、猫にとって栄養バランスが一番取りやすいのが、総合栄養食であるカリカリ(ドライフード)の特徴です。そのソマリちゃんの年齢に適した良質なドライフードであれば、それだけで必要な栄養素が満たされます。ウエットと違い、数時間の置き餌にも耐えられますし、飼い主にとって扱いやすいフードともいえるでしょう。
が、カリカリだけの食餌の最大の欠点は、どうしても水分不足を招きやすいということです。慢性的な水分不足は尿を濃くし、多くの猫がかかりやすい泌尿器系疾患の原因となります。
常にお水を飲めるようにセットしてあるから大丈夫と飼い主さんが安心していても、その子自身があまりお水を飲まないタイプだと、結果的には同じです。ドライフードのみをあげる場合には、この点を充分に考えてあげてください。
逆にウエットフードを主食にすると、水分は摂りやすくなるものの、歯石がつきやすいというデメリットもあります。また、ウエットフードを選ぶ場合には、「総合栄養食」なのか「一般食」なのかを必ずチェックしてください。一般食はカリカリ(総合栄養食)の添え物のようなものであって、主食にはできません。
ドライにしてもウエットにしても言えることですが、市販のキャットフードのみを与えている場合、そのフードによって愛猫の体が造られているようなものですから、銘柄選びには慎重になりたいものです。
パッケージの華やかな謳い文句よりも、袋後ろの原材料をまずチェックしてください。一番先頭に書かれているものが、その製品に一番多く含まれる原材料です。猫は肉食動物だということをふまえ、その材料を吟味してください。健康な体を維持するためには、何よりも良質なタンパク質が必要なのです。
また、表記されている内容だけでは分からないこともたくさんあります。
安価なドライフードの原料には、たいてい「4Dミート」(人間の食用として不合格なために廃棄処分されるレベルの肉)や「副産物」(内臓・尿・糞・羽根・くちばし・足・腫瘍など)が使用されています。
さらに、「動物性脂肪」というのは、さまざまな原材料を加工(レンダリングといいます)してつくった脂肪なのですが、その材料として、「殺処分された犬猫」「薬剤・毒物・殺虫剤が入っているために人間の食材にできなかった原料」「飲食店からの廃油や生ゴミ」等が使われていることも。
これらのフードに対し、化学保存料を使わず、高品質な原材料を使った、いわゆる「ナチュラルフード」も数多く存在します。ただ、ナチュラルフードは開封後の保存状態が悪いと、容易に酸化したりカビが生えたりし、それは化学保存料以上に猫の体に害があると言われます。飼い主さんが、きちんと管理できてこそのナチュラルフードなのです。
我が家の場合、ナチュラルフードは、開封したら密閉パック機で小分けにして、野菜室で保存し、1ヶ月半くらいで使い切るようにしています。
ナチュラルフードのもう一つの問題点は、流通の不安定さです。それまで日本に入っていたブランドが突然ぱったりと入って来なくなったり、名称はそのままでも成分がすっかり変わってしまったり..という事態が起きることも珍しくありません。
その場合には、すぐに他のブランドを探さなくてはなりませんが、お腹がデリケートな子などは、急なフードの変更は体が受け付けない場合もありますので、特にナチュラルフードをあげているご家庭では、日頃から2〜3のブランドを食べられるようにしておく準備も必要かと思います。
愛猫にぴったりのフード選びは、本当に至難の業で、私達もいまだ旅の途中です(;^-^A。
これが秘密兵器の密閉パック機であります(^m^)
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