猫のしっぽのつけ根(背中側)付近は皮脂腺とアポクリン腺が発達していて、ここから匂い付けのための皮脂が分泌されています。しっぽの付け根が脂っぽくなりやすいのはこのためです。
この皮脂の分泌が過剰になった状態は「スタッドテイル(病名で言えば「尾腺炎」「尾腺過形成」)」と呼ばれ、酷くなるとしっぽの付け根の毛がベトベトになってもつれたり、固まったり、悪臭がしたりします。毛の下の皮膚には、黄色っぽいあるいは黒っぽいワックス状のものが附着したり、さらに二次感染をおこすと細菌性毛包炎、面皰、限局性蜂巣織炎などの炎症を引き起こすため、こうなると動物病院を受診しないと治りません。(スタッドとは鋲のこと。皮膚炎を起こした肌が凸凹になってしまうことからスタッドテイルと呼ばれるようになったそうです)
一般的には、去勢をしていない男の子や、ペルシャやシャムなどの東方系の純血種に過剰分泌がおこりやすいと言われます。が、避妊去勢をしたソマリでも、男女問わず尻尾の付け根のベタベタが見られることがあります。もちろん個体差もありますが、うちのソマリの場合、長男と長女(避妊去勢済み)が尻尾が脂っぽくなりやすい体質です。ブリーダーさん方のお話をうかがっても、ソマリは比較的オイリーな毛質の子が多いようなので、スタッドテイルには要注意かもしれません。
動物病院にかかるほど悪化してしまった場合、治療は獣医師の指示による薬用シャンプー(抗脂漏性シャンプー)での洗浄と、二次感染をおこしている場合には抗生物質の投与となります。
スタッドテイルの一番の予防は、定期的なシャンプーですが、とくに尻尾の付け根が脂っぽくなりやすい子には、「グープ」という脂落しを使うのが効果的です。キャットクラブ主催のシャンプー教室でも勧められていたこの商品は、ショーブリーダーさん方にとっては必須のアイテムで、皮膚や被毛を傷めることなく、シャンプーでは落せない頑固な脂をすっきり落してくれます。
十年ほど前まではアメリカでしか手に入らなかった商品でしたが、今では日本でも容易に買えるようになりました。グープの専門店「4U'rキティーズREX-BOX」//www.rakuten.ne.jp/gold/rex-box/kategori/g_bunrui_goop.htm
なお、シャンプーやその後のドライの際、炎症を起こしている皮膚はデリケートになっているので、強くこすらないことを意識しつつ、しっかりとすすぎ、しっかりと乾燥させることも大事です。
また、シャンプーとシャンプーの間の期間は、尾腺部のところをこまめに拭いたり、コーミングしてあげたりして、常に清潔に保つこともスタッドテイルの予防に繋がります。
...と、うちのソマリ達のシャンプー拒否反応に尻込みしてばかりのダメ母が、あえてまとめたスタッドテイルのお答えでしたm(_ _;)m
関連ページ