お返事

ソマリに限らず、猫は「肉食」動物であり、健康を維持するためには、何よりも良質なタンパク質の摂取が必須です。総合栄養食と謳っているドライフードも、肉類(その質の良し悪しはメーカーによってかなりの差がありますが)を中心に作られたものが多いです。

長い歴史の中で、自然界の猫達はネズミや小鳥などを獲って食べていました。それが、彼らの消化器官にとって一番適した食事なのです。仕留めたばかりのネズミや小鳥を、内蔵も含めその全体を食べることによって、タンパク質ばかりでなく「ビタミンやミネラル」そして「酵素」を摂取することになり、それが猫の体内で消化を促します。「生肉食」かつ「全体食」こそ、彼らにとっての総合栄養食だったのです。

一方加工されたドライフードは、生肉食と比べ消化も悪く、なにより水分不足を招きやすい(泌尿器系疾患の原因となる)というデメリットもありますし、原料の品質や添加物なども多いに気になるところです。

そうした懸念から、ソマリの食事を、お肉を主食とされているお家もあるようです。もちろん、お肉を食べさせること自体は、良質なタンパク質の摂取になりますので、とてもいいことだと思います。が、問題はその与え方です。

穫ったばかりのネズミや小鳥を与えることは、まずできないですから(;^-^A、市販のお肉を与えることになると思いますが、この時点ですでに全体食ではなく、栄養バランスが崩れてしまいます。

また、たいていの畜肉にはリンが多く含まれているため、内蔵や骨などを取り除いたお肉の部分だけを「常食」すると、リンとカルシウムのバランスが崩れてしまい、これもまた泌尿器系疾患の原因となる場合があるのです。

さらに、お肉を加熱して与える場合には「酵素」も壊れてしまいます。結果的に、加熱した肉だけを主食としたご飯は、消化も悪く、猫にとって必要な栄養素も満たさない、健康を害しかねない危険なご飯となってしまうのです。

もし、お肉をソマリの主食とする場合には、必要な栄養分の不足がないよう、サプリメントや他の食材で補うことが求められます。(「ベターインザロー」などのように、生肉にくわえるだけで総合栄養食となる便利な食品もあり、我が家ではこれを使用しています)

なお、生食に適しているのは新鮮な馬肉と牛肉です。鶏肉と豚肉は寄生虫や病原菌の問題がありますので生食には向かないとされます。いずれにしても、信頼できるペットフードショップで「生食用」と明記されたお肉を購入するのが、一番安全かと思います。(スーパーマーケットで売られている人間用のお肉は店頭に並ぶまでに様々な行程を経ており、本来加熱して食べるものです)

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