猫は比較的「嘔吐」しやすい動物です。人間や犬に比べて解毒能力が低いために、自分の体にとって害になるような物を体内に入れないよう、吐くことでガードしているのだと言われます。
嘔吐にもいろいろな種類があり、単なる「毛玉吐き」や「早食い」によるもの。あるいは、「アレルギー」が関与しているもの。また、「中毒」や「腸閉塞」など重い疾患の症状である場合もあります。
吐いた後、すぐに元気そうにしているのなら、さほど心配はありませんが、その後も立て続けに吐いたり、元気がなくなったり、あるいはその日は治まったものの数日のうちに何度も同じ症状を繰り返すようでしたら、早めに動物病院を受診してくださいね。
以下に、我が家の主治医にアドバイスいただいた、受診の具体的な目安を書いておきます。
【吐く回数】1回で治まった→ほぼ安心(ご飯を吐いた後に、続けて胃液を吐いたりするのは1回と見なす)/時間をおいて2回目を吐いた→吐瀉物をチェックした上でかかりつけの先生に電話で相談/時間をおいて3回目を吐いた→できれば吐瀉物を持参で、受診を
【吐く頻度】週に1回程度→ほぼ安心/毛玉吐きや早食いなど理由がはっきりしている嘔吐を週2〜3回程度→念のため主治医に相談/週に4〜5回程度→すぐに受診を
【吐いた物のチェック】ご飯のみ、毛玉入り、胃液のみで、1回で治まる嘔吐→ほぼ安心/異物が混じっている、血が混じっている、ウンチの匂いがする→なるべく吐瀉物を持参で、すぐに受診を
【嘔吐が症状として現れる病気】アレルギー、食道炎、甲状腺機能亢進症、肝臓の疾患(化膿性胆管肝炎・肝リビドーシス・肝リンパ腫)、胃の疾患(胃炎・胃潰瘍)、膵炎、腸の疾患(寄生虫・便秘・腸炎・腫瘍)、腎臓病など
ソマリは短毛の猫さんと比べて、吐きやすい方ではあると思います。毛繕いが好きな子も多いですし、換毛期にはたいていのソマリが毛玉吐きを経験するのではないでしょうか。たかが毛玉吐きとはいっても、それがきっかけで吐き癖がついてしまうと、胃酸が食道を荒らして食道炎を引き起こしたりしますので、毛玉を吐かせないケアにも気をつけてあげたいものです。(→詳しくは「ソマリの毛球症対策は」をご覧ください)
病気が関与していない嘔吐の中で、一番多いのは、キャットフードの早食いかもしれません。がっついたフードが胃の中で急に膨らんで、吐いてしまうというケースです。特にカリカリを食べた直後にお水をがぶ飲みしたりすると、起こりやすいです(うちの長男ニャンがまさにこのパターン(;^-^A)。対処法としては、1度にあげるドライフードの量を少なめにします。
また、特に早食いや大食いをしたわけでもないのに、食べた直後にフードをストーンと戻してしまう...というような吐き方を頻繁にする猫ちゃんは、アレルギーの疑いが濃厚です。もし、獣医師から嘔吐がアレルギー性のものと診断されたら、キャットフードをアレルギー対応食に変えることで治まるケースも多いです。
最後にもう一つ、我が家の長男ニャンの例をご紹介します。朝の寝起きに胃液を吐くことが多かった彼。主治医に相談したところ、胃酸過多による嘔吐ではないかと診断されました。猫の胃酸はもともと強いのですが、胃を長時間空腹状態にすると、さらに胃酸過多となります。対処法として、寝る直前に少量のキャットフードを与えるようにしたら、朝の空腹吐きがほとんどなくなりました。
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